東京大学における琉球人遺骨の保管状況等に関する質問主意書
AIによる解説
質問のポイント
以下に、質問主意書の重要なポイントを3点にまとめます。 * **東京大学における琉球人遺骨の保管状況と調査の要請:** 第二次世界大戦以前に、東京帝国大学の鳥居龍蔵氏などにより収集された琉球人遺骨が、現在も東京大学に保管されている可能性が指摘されています。東京大学は関連文書の開示請求に対し「不存在」としましたが、保管の可能性は残っており、現在学内で調査・検討中であるとされています。質問主意書は、政府に対して、この状況の把握と見解を求めています。 * **先住民族の権利と遺骨返還の国際的潮流:** 京都大学における琉球人遺骨返還訴訟の大阪高等裁判決が、琉球人を「沖縄地方の先住民族」と認め、「遺骨は単なるモノではなく、ふるさとに帰すべきである」と付言したこと、また「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が遺骨返還の権利を明記していることが、質問の背景にあります。これらを根拠に、政府に対し、琉球人遺骨の返還に向けた方策の模索と支援の意思、および行動計画が問われています。 * **遺骨の性質に関する理解の齟齬と政府の認識:** 研究者側が遺骨を主に研究目的の「資料」としてきた一方、遺族や琉球人にとっては「祖先」であり、その返還は重大であるという、遺骨の性質に関する根本的な理解の齟齬が存在します。質問主意書は、政府に対し、この研究者と遺族等の認識の齟齬についてどのように理解しているか、その見解を明らかにすることを求めています。
答弁のポイント
以下に、答弁書の重要なポイントを3点にまとめて示します。 * 政府は、東京大学に琉球人遺骨が保管されている可能性を含め「把握していない」と表明しています。ただし、東京大学が関連文書の開示請求に対し「不存在」として不開示決定した旨の報道は「承知している」と述べています。また、遺骨持ち出しの事実関係や当時の刑法上の扱いの成否については「承知しておらず」、個別の事案として判断すべきであるため答えられないとしています。 * 大学に保管されている遺骨の管理・取扱いについては、一義的に当該大学が適切に対応すべきであるという立場を示しており、東京大学における琉球人遺骨の保管状況の把握や返還に向けた手続きの支援などは「行う予定はない」と明言しています。 * 琉球人遺骨に関する具体的な理解や、研究者と遺族等の間の理解の齟齬について一概に答えることは困難であるとしつつも、再度、大学に保管されている遺骨への対応は、一義的に当該大学が適切に行うべきであるとの立場を強調しています。