スポットワークにおける過去の企業側キャンセルに伴う未払賃金問題に関する質問主意書
AIによる解説
質問のポイント
以下に、質問主意書の重要なポイントを3点にまとめます。 * スポットワークにおいて、企業側によるマッチング後のキャンセルが常態化しており、労働契約の成立時期に関する認識の齟齬から未払賃金問題が発生している点が指摘されています。この問題は総額300億円以上とも指摘され、特に学生や生活困窮者といった社会的弱者に深刻な影響を与えており、賃金請求権の時効による権利消失が懸念されています。 * 厚生労働省が労働契約の成立に関するリーフレットを公表したものの、この問題は以前から認識されていたとされており、対応の遅れが指摘されています。質問主意書では、過去の被害者救済や、今後同様の問題を防ぐための、より積極的かつ実効的な対策(明確な指針、労基署の体制強化、スポットワーカーへの情報提供など)の必要性が問われています。 * スポットワークのアプリ事業者が「キャンセルが容易」であることを営業上の強みとしていた経緯や、企業へのキャンセル履歴の開示運用に透明性が欠如している点が指摘されており、アプリ事業者の社会的責任と役割が問われています。また、厚生労働省が示した「特段の合意」による労働契約成立時期の変更について、その範囲を明確に具体化しないと、労働者保護の観点から問題が生じる可能性があり、ルールの明確化が求められています。
答弁のポイント
以下に、答弁書の重要なポイントを3点にまとめます。 * スポットワークにおける労働契約の成立について、原則として「先着順での応募時」に労使双方の合意があったものと一般的に考えられるとしつつ、「別途特段の合意」があった場合はこの限りではないとしています。ただし、「特段の合意」や「企業側キャンセル」における解約の事由・期限の具体化については、個別の事案の内容や状況等によるものであり、一概に示すことは困難としています。 * 厚生労働省は、スポットワークに関する対応が遅れたとの指摘を否定し、令和7年7月4日に「スポットワーク」における労働者の労働条件確保等に関する連名通達を発出するとともに、「ご存知ですか?「スポットワーク」の注意点」(労働者向けリーフレット)および「「知らない」では済まされない「スポットワーク」の労務管理」(使用者向けリーフレット)を作成し、積極的な周知と労働基準監督署等での適切な相談対応を行っていることを強調しています。 * アプリ事業者が持つキャンセル履歴について、その詳細を把握していないとしつつ、職業紹介事業者に対して使用者(企業)のキャンセル履歴の開示を直接求めることは考えていないとしています。一方で、当該記録の開示自体は、職業安定法における個人情報の適正な取扱いに違反しない限り、同法上の問題は生じないとの見解を示しています。