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木更津駐屯地に暫定配備されていたオスプレイに関する質問主意書

2025-08-05
218回 参議院

AIによる解説

質問のポイント

この質問主意書は、木更津駐屯地に暫定配備されていたV-22オスプレイの運用に関して、以下の3つの重要なポイントを政府に問いただしています。 * **暫定配備期間中のオスプレイの具体的な運用実態と、当初の約束・説明との整合性について、詳細な情報開示を求めている点。** これには、主に飛行経路(原則西側飛行、東側飛行事例、固定翼・回転翼経路の利用実態、悪天候時の経路)、訓練内容の既存機との比較、法令(最低安全高度、低空飛行)遵守の実態、人口密集地域や特定の学校上空の飛行事例、潮干狩り場上空飛行、ホバリング訓練場所、離着陸回数の実績、夜間・早朝訓練の実態(21時超過や深夜・早朝の訓練時間と理由)などが含まれ、これまでの住民説明や住民の苦情に対する政府の対応も問われています。 * **オスプレイ運用に伴う地域住民への負担(騒音・低周波振動)の実態と、それに対する政府の認識および今後の負担軽減策に関する見解を求めている点。** 具体的には、騒音や低周波振動が住民の命や暮らしに及ぼす可能性についての政府見解、住民の苦情内容と政府の配慮、特に住宅防音工事の助成対象基準(75Wから70Wへの引き下げ)の見直しに関する政府の見解が問われ、住民の生活環境への配慮が十分であったかどうかが焦点となっています。 * **オスプレイの佐賀駐屯地への移駐後も木更津駐屯地に残留する可能性のある「日米オスプレイの共通整備基盤」に関する今後の具体的な計画と、それによる地域への影響について明確な説明を求めている点。** これには、共通整備基盤の存続の有無と他地域への移転可能性、木更津に存続する場合の陸上自衛隊および米軍オスプレイの今後の飛来経路、扱う機数、飛行回数、飛行空域、飛行が試験飛行に限られるか否か、そして特定防衛施設周辺整備調整交付金の金額変更の有無など、移駐後の木更津におけるオスプレイ関連の将来的な運用と地域への影響についての情報提供を求めています。

答弁のポイント

この答弁書は、木更津駐屯地に暫定配備されていたオスプレイ(V-22)に関する多岐にわたる質問に対し、政府の立場から以下の重要なポイントを回答しています。 * **情報開示の限定と安全保障上の考慮**: 多くの質問(訓練の頻度、部隊の実員、ホバリング訓練の詳細、米軍オスプレイの飛行経路など)に対して、「自衛隊の練度や態勢、我が国の安全が害されるおそれがある」「米軍の運用に関すること」などを理由に回答を差し控えています。一方で、V-22の配備機数は年度ごとの詳細が明らかにされています。 * **飛行経路の限定と航空法遵守**: V-22は木更津駐屯地の「西側場周経路」を飛行し、「東側場周経路」での飛行事例はないとされています。航空法に基づく最低安全高度の遵守違反事例はなく、低空飛行を行う場合は航空法第81条ただし書に基づき許可を得ており、その許可内容(目的、期間、場所、高度など)を詳細に提示しています。 * **騒音対策と環境影響の認識**: 騒音対策として、飛行経路の設定、離着陸時間帯の限定、防衛施設周辺の防音工事などを実施しており、今後も継続する方針です。騒音に係る環境基準であるLden 62デシベルを改める考えはないとし、低周波振動については調査研究の途上にあり予断できないとしながらも、佐賀駐屯地の例では騒音による影響は少ないとの見解を示しています。