スポーツ基本法及びスポーツにおけるドーピングの防止活動の推進に関する法律の一部を改正する法律案

この法案要旨の要点は以下の3点です。

* スポーツ基本法において、人種や性別等にかかわらず多様な人がスポーツに親しむ機会の確保を明記し、地域振興や健康長寿社会、共生社会の実現といった役割を拡充するものです。

* スポーツ団体には運営基盤の強化と健全な運営を求め、地方スポーツ推進計画では教育委員会等が共同で策定できるようになるなど、団体のガバナンスと地域との連携を強化するものです。

* スポーツにおけるドーピングの防止活動の推進に関する法律において、国等が連携すべき関係者として一般社団法人日本スポーツフェアネス推進機構を新たに位置付けるものです。

賛成意見の根拠

• 人種、性別、年齢、障害の有無にかかわらず、誰もがスポーツに親しむ機会を確保し、多様な関わり方（する、見る、支える、集まる、つながる）を明示することで、スポーツの包摂性と多面的な価値を向上させようとしている点です。
• スポーツを地域振興、健康で活力に満ちた長寿社会、共生社会の実現といった社会課題の解決に結びつけ、まちづくりとの一体的な施設整備や部活動の地域展開など、より実効性のある施策を通じて社会全体の活性化を目指している点です。

反対意見の根拠

• スポーツ団体に対して運営基盤の強化や健全な運営の確保を求めるものの、それらを実現するための具体的な支援策や財源確保が「国は、知識、人材及び資金の好循環を実現するよう努めなければならない」という努力義務にとどまっており、団体に新たな負担が生じる可能性がある点です。
• 前文や基本理念に多くの理念や役割、施策が追加された一方で、それらが実際に現場でどのように機能し、実現されるのかについて、具体的な実行計画や義務付けが不明瞭な箇所もあり、理念先行に終わるのではないかという懸念がある点です。