社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案

要点:

• 働き方や事業形態の多様化に対応するため、短時間労働者や特定の個人事業所への被用者保険の適用が拡大されます。
• 在職老齢年金の支給停止調整額の引き上げや、遺族厚生年金制度の男女差解消と有期化など、年金給付に関する条件が見直されるとともに、子の加算が創設・拡充されます。
• 厚生年金保険の標準報酬月額上限が段階的に引き上げられ、マクロ経済スライドによる給付調整が継続・軽減されるほか、個人型確定拠出年金（iDeCo）の加入可能年齢が延長されます。

賛成意見の根拠

• 働き方やライフスタイルの多様化に対応し、短時間労働者や個人事業所の従業員など、より多くの人が被用者保険の適用対象となり、セーフティネットが拡充されます。
• 所得再分配機能の強化や子育て世帯への加算の創設・拡充、私的年金制度の加入可能年齢引き上げなどにより、社会全体の公平性と高齢期の生活安定が図られます。

反対意見の根拠

• 被用者保険の適用拡大や事業主の負担割合増加措置により、企業、特に中小企業や個人事業所の保険料負担が増加し、経営を圧迫する可能性があります。
• 子のない配偶者に係る遺族厚生年金が原則有期給付となることや、マクロ経済スライドによる給付調整が継続されることで、一部の受給者の生活が不安定になる懸念や、将来の年金給付水準への不安が残ります。