港湾法等の一部を改正する法律案

本法律案の要点は以下の3点です。

* 港湾管理者が、気候変動による浸水被害防止のため、防潮堤等の所有者等と連携し協働で防護計画を策定できる制度を創設します。

* 海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾において、関連施設の円滑な利用を促進するため、国土交通大臣が協議会を組織できる制度を設けます。

* 非常災害時における港湾の緊急物資輸送拠点機能を確保するため、港湾管理者が被災施設の緊急復旧に必要な他人の土石を収用できる権限を設けます。

賛成意見の根拠

* 気候変動や大規模災害に対応するための港湾の防災・減災能力を強化し、緊急時の円滑な物資輸送体制を確保できるため、国民の安全と生活を守ることにつながります。

* 海洋再生可能エネルギー事業の推進を支援し、港湾施設の効率的な利用を促進することで、日本のエネルギー安全保障に貢献し、経済活動の活性化が期待できます。

反対意見の根拠

* 非常災害時における他人の土石の収用など、緊急性を理由とした私有財産権の制限が発生する可能性があり、その適正性や公平性、補償のあり方について懸念が生じる場合があります。

* 協働防護計画の策定や港湾工事の代行制度において、複数の関係者間での調整の難しさや、国による関与の増加が、地方の港湾管理者の自律性や財政的な負担に影響を与える可能性があります。